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キャンパスの四季 <かかしコンクール>
キャンパスの四季〜かかしコンクールとケルネル先生そして船津伝次平氏
母校の直接の行事ではないのですが、母校在校生が耕しているケルネル水田を会場として毎年地元主催の「かかしコンクール」が行われています。
今年はその30周年を迎えました。
かかしコンクールは地元民の発意で生まれたもので、その昔この田圃を潰して自動車道路を造ろうという計画があったとき、それを押さえて、人々の関心をこの水田に向けようとしたことから発生したと言われています。
当時はケルネル先生(Dr. Oscar Kellner)もあまり知られておらず、その胸像は東京大学農学部本館の廊下にほこりをかぶって置かれていました。
しかしケルネル先生はヨーロッパでも屈指の農芸化学者であり、先生の著作がごく最近まで農芸化学のテキストとしてドイツで使われていたと言われます。
その方が駒場農学校教師として明治14年から25年までの11年間駒場の地にて主としてこの水田を使って実験をされ、我が国の米作収量の増大を計るべく努力されたのでした。
その時、群馬県の富士見村(当時)から篤農船津伝次平が大久保利通に招かれて駒場野に来てこの水田を開墾したと言われています。
このように母校が耕している水田は、日本農業近代化に資した水田であり、そこに船津伝次平とDr Oscar Kellner という日本農学の二人の巨星が存在していたのです。
かかしコンクールには今年はドイツ大使館の食料・農業・消費者保護担当のDr Urlich Fassbender が来られ、日本・ドイツ外交関係樹立150周年の今年のかかしコンクールの意義を強調されました。
今年は出品されていませんでしたが、毎年母校の生徒・保護者のかかしが出品され優秀な賞を取っています。
写真はケルネル博士と今年のドイツ大使館賞を取った群馬県前橋市富士見町の国定忠治かかしです。
(事務局 HT)

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